韓国ではグローバリズムの名の下で、国民が苛烈な競争を強いられ、同時に外国人労働者を受け入れていった。本来、若年層失業率が2ケタに達している国が、移民を受け入れる必要はないはずだ。
移民が必要なほど人手不足になっているならば、若年層を雇用し、生産性向上で国民の所得を引き上げていかなければならない。とはいえ、国民が豊かになってしまうと、グローバルな価格競争に勝てなくなってしまう。
グローバル投資家に支配された韓国の大手企業は、とにもかくにも利益を最大化することを求められる。さもなければ、オーナーや外国人投資家に支払われる配当金が減ってしまう。
というわけで、韓国は人口比で見ると、日本以上のハイペースで外国人労働者を受け入れた。結果、若い世代を中心に外国人労働者と「底辺への競争」を強いられる羽目になった。ネットで「ヘル・コリア」(地獄の朝鮮)と叫び、外国への移民を切望するほどに祖国に不満を持った若い世代が、「革命」的な文在寅を大統領の座に押し上げた。
韓国は、日本が決して見習ってはいけない、グローバリズムのなれの果てだ。
■三橋貴明(みつはし・たかあき) 1969年、熊本県生まれ。経済評論家、中小企業診断士。大学卒業後、外資系IT業界数社に勤務。現在は「経世論研究所」所長。著書・共著に『2017年 アメリカ大転換で分裂する世界 立ち上がる日本』(徳間書店)、『中国不要論』(小学館新書)、『世界同時 非常事態宣言』(ビジネス社)など多数。