柏崎刈羽原発の「ベント事前了解」削除報告 東電、運用変わらずと強調 新潟

 東京電力ホールディングスの広瀬直己社長は30日、県庁で米山隆一知事と5分余り会談し、原子力規制委員会が進めている柏崎刈羽原発6、7号機(柏崎市、刈羽村)の審査をめぐり、当初申請した内容を変更する方針を伝えた。原子炉格納容器内の蒸気などを外部に放出して容器の破損を防ぐフィルター付きベント(排気)設備について、立地自治体の了解を得た後に運用するとした記載を削除する。米山知事は事実上容認する考えを示した。 (市川雄二)

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 フィルター付きベント設備をめぐっては、東電が平成25年9月に新規制基準の適合性審査を申請する際、県との安全協定に基づく了解がないと使用できないなどとする条件を付け、当時の泉田裕彦知事が承認していた。重大事故時にベントから放出される蒸気には放射性物質が含まれる。

 会談で広瀬社長は削除の理由を「審査の議論を踏まえた」と述べるにとどめた一方、「安全協定に基づく承認をいただいてから供用する点は変わりない」とし、削除しても実際の運用は同じだと強調した。

 米山知事は「(大事なのは)避難計画との整合性を持たせることだ」と指摘し、この点を確認する文書への回答を東電に近く求める考えを示した。

 会談後、米山知事は「県が口を出す権限があるかどうか微妙。積極的に認めるわけではないが、口を出すところでもない」と述べ、記載の削除を事実上受け入れる考えを明らかにした。

 東電は6月中にも審査申請の補正書を規制委に提出する方針。規制委は審査の過程で、地元の了解がないとベントを使えないのでは新規制基準への適合は困難との見解を示していた。

 米山知事は記載の削除について「審査対象にならないから書かないでほしいと規制委が言ったことに、県が何か言うのは筋違いだ」と記者団に語った。また東電の担当者は、緊急時でもベントの作業一つ一つの了解が必要といった誤解を与えかねないため削除すると、記者団に説明した。

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