葬送

「知性の巨匠」保守政治家の指針に 上智大学名誉教授、第1回正論大賞、渡部昇一さん(30日、東京都千代田区の聖イグナチオ教会)

評論家・渡部昇一氏のお別れの会が行われ、多くの関係者が参列した=30日午後、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)
評論家・渡部昇一氏のお別れの会が行われ、多くの関係者が参列した=30日午後、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)

 保守論壇の巨星の追悼ミサは、天窓から5月の陽光が差す聖堂で行われた。政界や言論界などから約700人が参列し、会場では悲しみの言葉が漏れたが、着物姿の遺影は一人、ほほ笑みを浮かべていた。

 山形県鶴岡市出身。上智大学を卒業し、同大学教授などを歴任した。ともに上智大で教鞭(きょうべん)を執り、この日のミサも司(つかさど)ったピーター・ミルワード神父は、その素朴で実直な人柄を振り返り、「渡部先生は田舎者でした。いい人はみんな田舎者。心の田舎者。幸いなるかな、田舎者」と語った。

 元東京都知事の石原慎太郎氏は弔辞で「混迷を深める世界で、日本は難しいかじ取りをしなければならない。あなたを失ったのは痛恨の極み」と述べた。

 専門である英語学を超え、東西冷戦時代から社会主義に偏った論壇で孤立を恐れず発言したその姿勢は、多くの保守政治家の指針となった。麻生太郎副総理は「知性の巨匠だったと思う。左っぽい人が多かった中で、唯一の保守的な人だったんじゃないかな」と話した。安倍晋三首相と稲田朋美防衛相も駆けつけ、安倍首相は「まだまだ先生にはご指導いただきたかった…。政治家としてお目にかかれたことは本当に良かった」と話した。

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