刑事処分の対象年齢を「16歳以上」から「14歳以上」へと引き下げた改正少年法が施行された平成13年以降の15年間で、刑事処分が相当として家庭裁判所から検察官送致(逆送)された14、15歳の少年は全国で17人にとどまっていたことが27日、最高裁への取材で分かった。16〜19歳では逆送が原則とされる殺人や傷害致死の非行内容であっても、14、15歳では逆送の割合が1割に満たないことも判明した。
14歳への引き下げは9年に起きた神戸連続児童殺傷事件を契機に行われたが、家裁が依然として、少年の保護や更生に重点を置く実態が浮かび上がった。
連続児童殺傷事件では当時中学3年で14歳だった加害男性(34)が逮捕された。刑法上は14歳以上なら刑事責任を問えるにもかかわらず、少年法が刑事処分の対象年齢を16歳以上としている矛盾が問題化。世論の高まりを受け、対象年齢の引き下げのほか、16歳以上が故意による犯罪で人を死なせた場合には原則逆送とする規定も盛り込んだ改正少年法が13年4月に施行された。
司法統計によると、道交法違反などの交通事犯を除き、13〜27年に逆送された少年は計4270人。このうち18、19歳が3690人と86・4%を占め、16、17歳は563人(13・2%)、14、15歳は17人(0・4%)だった。総数自体は減少傾向にあり、27年は13年の488人の3分の1以下となる135人だった。
家裁送致された少年の年齢別の傾向をみると、14、15歳では殺人事件で27人中2人(7・4%)、傷害致死事件で97人中5人(5・2%)が逆送されただけで、強盗致死事件では16人中0人だった。