「応仁の乱」はなぜヒットしているのか? 筆者が読み解く(2/9ページ) - 産経ニュース

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「応仁の乱」はなぜヒットしているのか? 筆者が読み解く

 歴史ブームの当節、歴史の教訓に学べと訴えるビジネス系の本は巷間(こうかん)にあふれている。しかし呉座さんは「現代は複雑で混とんとした時代。そこで生きるヒントを得るために歴史を学ぶのであれば、お話として単純化された『歴史講談』を学んでも意味がない」と苦言を呈する。

 執筆に際し心がけたのは、複雑な当時の状況を分かりやすく単純化することなく、複雑なままで読者に提示することだった。そこに分かりやすい悪役はいない。暗愚で無定見な諸悪の根源と断罪されがちな将軍の足利義政も、乱の背後で暗躍したとしてよく黒幕視される義政の妻の日野富子も、実際はそれぞれの見通しの元に乱の収拾を図っていたことが描かれる。

 「応仁の乱はまさに失敗の連続。関係者がみなことごとく読みを外し、打つ手打つ手が裏目に出た中、どんどん拡大した。爽快感はまるでない歴史。しかし真剣に歴史から現代に通じる何かを得たいと思うなら、そうした失敗の歴史からこそ学ぶべきではないか」

 だからこそ、ヒットには希望を持てたという。

 「複雑なものを理解するのは大変だからとすぐ単純化したものを求める、その思考自体が危険。それは陰謀論やニセ科学の蔓延(まんえん)にも容易に通じる。こういう本がこんなに売れたのは、おこがましい言い方ですが、日本もまだまだ捨てたものじゃないという気になりました」

(文化部 磨井慎吾)

 呉座さんとの一問一答は次の通り。

ヒットの理由…強いていうなら現代と重ねて見ているのでは