一方、こうした緩やかな方針を掲げながらも、クラブは順調に成長。クラブの平成27年度の全国大会では準優勝を収めた。
増加するラグビースクール
そんな大島さんが「ちょっとでも近づきたい」とあこがれを抱くのが、W杯で最多の優勝回数を誇る強豪ニュージーランド(NZ)のラグビークラブだ。
数年前にNZに渡り、クラブを視察。それは日本とは大きく異なり、練習は平日の2日間に短時間で行い、試合は土曜日に行うシステムだった。ちなみに日曜日は完全オフだ。
練習、試合、休日…。こうしたメリハリがある育成システムこそが、強豪NZの原点にあると感じたといい、今のキウイズのお手本となっている。
日本では、学校単位ではなく、地域で子供を集め、育てようとする同様のラグビースクールが増加傾向にある。
日本ラグビーフットボール協会(東京)によると、スクール人口は27年度、2年ぶりに増加した。同年に開催されたW杯イングランド大会での「五郎丸フィーバー」などが、追い風になったとみられている。
さらに、28年度は推計ではあるが、スクールの人口は約3万1472人にまで伸び、クラブ数は418チームに達した。これは、詳細な記録が残る23年度以降では最多の数字だ。
2年後の自国開催のW杯に向け、トップリーグの選手によるラグビー教室も各地で盛んになっている。
欧州で定着「クラブ型」の育成とは
海外では、日本の部活動と違い、このような「クラブ型」による育成が主流とされている。