上級山岳で登山届義務化 山梨県検討委、条例制定へ大筋合意

 県は25日、山岳遭難事故を減らす「安全登山対策検討委員会」(委員長・今井久山梨学院大教授)を開き、難易度が高い山で年間を通じ、登山届の提出を義務づける県条例を制定することで大筋合意した。

 遭難事故が多発する中、安全登山の徹底を促すことが目的。富士山や南アルプス、八ケ岳、鶏冠(とさか)山(秩父山系)など登山難易度が「上級」の山々を対象にしていく方針だ。

 今後、罰則規定や中高年に人気の低山などの扱いを詰める。6月13日の次回会合で県側が対象の山名や登山エリアを示す。委員会は骨子案をまとめ、冬山シーズンに間に合うように条例化を目指す。

 今井委員長は会議後、登山届提出の義務化について「危険な場所や時期を登山者に自覚してもらうための条例。冬山に罰則規定を入れるかどうかが今後の論点だ」と述べ、夏山は罰則対象としない考えを示した。

 山岳を擁する他県では、富山、群馬、岐阜、新潟、長野が条例を制定。長野を除く4県で罰則規定を設けている。

 一方、委員会が慎重な姿勢を示していた県防災ヘリコプター有料化について、必要性を訴えてきた富士吉田市の委員が、「受益者負担によって無謀な登山を抑制する効果があるのなら検討してほしい」と改めて求めた。今井委員長は有料化を決めた埼玉県の効果を見極める必要があるとして、「もう少し時間がかかる」との考えを示した。