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大手外資製薬企業で中高年が「追い出し部屋」? 退職勧奨、異動、降格…が宣告される「PIP」とは

降格、減給された上、追い出し部屋に配置転換になったとして労働審判を申し立てたアストラゼネカの元MR社員ら=東京都千代田区の厚生労働省
降格、減給された上、追い出し部屋に配置転換になったとして労働審判を申し立てたアストラゼネカの元MR社員ら=東京都千代田区の厚生労働省

 製薬大手「アストラゼネカ」(大阪市北区)の医薬情報担当者(MR)が降格、減給された上、追い出し部屋に配置転換されたとして、東京地裁に地位確認などを求める労働審判を申し立てた。支援する「東京管理職ユニオン」によると、他にもリストラやマタニティーハラスメント(マタハラ)の被害を訴える社員がおり、提訴を検討しているという。大手外資製薬企業で何が起きているのか。(社会部 道丸摩耶)

1時間で終わる仕事

 ユニオンによると、労働審判を申し立てたのは、同社で22〜31年のキャリアを持つ40〜50代のMR3人だ。この中のひとり、山梨理さん(54)は、アストラゼネカの前身の会社に入社以来、31年にわたり一貫してMRをしてきたベテラン。MRは医薬品情報を医師に提供するだけでなく、副作用情報を医療現場から収集するなど、高度な知識が必要な専門職だ。山梨さんは主に東北地方でMRとして勤務し、東日本大震災のときは福島県沿岸地域の開業医や病院を担当していた。