北朝鮮「秘密工作」ファイル

テレビ局が朝鮮総連に苦慮するワケ

 在京テレビキー局が、北朝鮮の出先機関としての役割を演じる在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)への対応に苦慮している。テレビ局は取材の機会が限定される北朝鮮内の様子を少しでも放映することで視聴率を稼ぎたいところ。渡航ビザを出す北朝鮮当局の機嫌をできるだけ損ねたくないのが本音だ。このため、朝鮮総連はテレビ局に対し、北朝鮮に有利な報道を促そうとビザを餌に活発に働き掛けを行っているとみられる。

 一例を挙げると、金日成主席誕生記念日「太陽節」(4月15日)は、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長がミサイル発射実験を繰り返す中、在京テレビキー局にとってはのどから手が出るほど取材したいテーマだった。

 ただ、TBSは3月13日の番組「好きか嫌いか言う時間」放映時に、脱北者が北朝鮮の生活を語る韓国のテレビ番組「いま会いに行きます」の内容を紹介。番組では金一族の内幕を解説していた。このため、朝鮮総連は偏向放送であるとして14〜16日の3日間連続でTBSを訪問するなどして抗議した。

 朝鮮総連関係者によると、北朝鮮は当初、TBSに対し、太陽節取材のため記者らの訪朝を許可する意向を示していた。ところが、突如方針を転換して訪朝を拒否したという。

 また、朝鮮総連幹部が正恩氏の異母兄、金正男氏殺害事件後、日本テレビとテレビ朝日の報道局員らと接触。金正男氏殺害事件について、北朝鮮当局による犯行説を払拭する報道を行うよう求めたことも判明している。