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中国企業が大手投資銀の筆頭株主に 海航集団 米メディア報道 共産党幹部らの関与あるのか

 また海航を率いる陳峰会長は習近平国家主席とのつながりもアピールしている。海航の公式ホームページは、15年10月に習氏が英国に初めて公式訪問した際、陳氏が同行した際の様子が詳しく紹介。このとき陳氏は習氏とキャメロン英首相(当時)らとともに記者会見し、北京-マンチェスター間の直行便の就航を発表。習氏が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を持ち出し、「海南航空は一帯一路の成功を確かなものにする」と宣言した。

 ただし海航と中国政府のつながりについては疑惑も持ち上がっている。米国に亡命中の元実業家、郭文貴氏が4月に米メディアでのインタビューなどで、中国共産党幹部で習氏の盟友とされる王岐山氏の親族と海航の金銭的なつながりを明らかにしたからだ。また郭氏は習氏が王氏の金銭問題を調査しているとも証言した。いずれの内容も裏付けはとられていないが、香港株式市場では郭氏の発言を受けて海航の株価が大幅に下落する一幕もあった。

 海航はドイツ銀への出資について公式なコメントを出していない。しかし派手な買収戦略と中国政府とのつながりには米国でも関心が高まっており、NYTは「米国の政治家も積極的な買収攻勢の裏にある力学と中国政府の役割を理解しようとしている」としている。

(ワシントン 小雲規生)