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中国企業が大手投資銀の筆頭株主に 海航集団 米メディア報道 共産党幹部らの関与あるのか

 一方のドイツ銀は企業の株式や債券の発行に関わる業務を手がける投資銀行大手。企業の資本調達や買収戦略に大きな影響力がある。しかし最近は住宅ローン担保証券の不正販売に絡む米司法当局への制裁金の支払いなどで収益が悪化。WSJ紙によると、2016年の投資銀行業務による収入は世界8位で、欧州勢としてトップだった前年の6位から後退した。

 このためドイツ銀には経営危機もささやかれてきたが、今年4月には経営基盤強化のために80億ユーロ(約9900億円)の増資を終えた。海航は他の投資家とともにこの増資に加わるなどして保有株を増やしたとみられる。海外買収戦略に積極的な海航が窮地のドイツ銀に救いの手をさしのべた形だ。

 ドイツ銀は役員に、海航が株式買い取りに使った資産運用会社のトップを迎えることが決まっている。一方、出資比率を10%未満に抑えたことは、ドイツや米国の政府からの関与をかわすためだとみられている。

 海航の動きに注目が集まる背景には、海航と中国政府との親密な関係もある。米紙ニューヨーク・タイムズは10日、海航が民間企業ながら中国の国営銀行から6兆8000億円相当の融資枠を受けているとし、「通常であれば中国政府の政策を遂行する国営企業にしか認められない額の大きさだ」と指摘した。