【モスクワ=黒川信雄】フィリピンのドゥテルテ大統領は25日のプーチン・ロシア大統領との会談に先立ち行われた露メディアとのインタビューで、ロシア・中国との「軍事同盟」も辞さないかのような発言をし、信頼できるのはこの両国だけだなどと言い切ってみせた。一方で米国には激しい批判を展開した。
イタル・タス通信が22日に配信したインタビューでドゥテルテ氏は、対米関係について「われわれは地政学的バランスを維持するために米国から武器を購入してきた。しかし米国は人権など、自分たちの求めるものをわれわれに押しつけてきた」と述べ、そのような態度への反発から、同国からはもう武器を購入しないことにしたなどと発言。その一方で、「われわれはロシアと同様に、武装した反乱集団と戦っている」と述べ、ロシアから偵察用機器や小型武器、さらにヘリコプターなどを購入する考えを表明した。
プーチン露大統領との首脳会談でドゥテルテ氏は軍事技術面での幅広い協力で合意する見通しだが、露メディアによると歴史的に米国の勢力圏にあったフィリピンが、ロシアとそのような合意をするのは初めてだという。