柏崎刈羽原発、断層評価で論争 地質学者ら分析 東電主張と対立

 東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)の敷地内の断層は活断層の可能性があると県内の地質専門家グループが指摘し、活断層ではないと主張する東電と評価が対立している。原子力規制委員会は同原発6、7号機の再稼働に向けた審査の過程で、断層に関する東電の主張を「おおむね妥当」とした経緯がある。専門家グループは22日、審査の見直しを求める要請書を規制委に発送した。終盤を迎えている審査の論点の一つになる可能性もある。

 ◆「刈羽テフラは活断層」

 同原発の敷地内に地層内に23本の断層があり、この地層に挟み込まれている火山灰「刈羽テフラ」の年代について、新潟大の立石雅昭名誉教授らの専門家グループは12万〜13万年前だとする分析成果を発表。規制委の新規制基準に照らし合わせると、12万〜13万年前以降にずれた断層は活断層と評価され、再稼働の是非に関する判断に影響を与えるのは避けられない。

 専門家グループによると、東電から提供を受けた刈羽テフラの試料と、同原発から約10キロ離れた柏崎市藤橋に分布する火山灰「藤橋40」の成分を電子線の分析器で調べたところ「完全に一致した」という。

 藤橋40は、約12万〜13万年前にできた柏崎平野南部の「中位段丘」の堆積物の中から見つかっており、専門家は刈羽テフラも「約12万〜13万年前に堆積した火山灰」と結論づけた。

 一方、東電は刈羽テフラと藤橋40は同じ火山灰だと認めた上で、青森・下北半島沖の調査で見つかった火山灰「G10」とも同じだと主張。海底は一定の速度で地層が堆積することや、年代が判明している他の火山灰との関係からG10は約20万年前のものとした。

 また、原発の敷地内外にある約24万年前の「阿多鳥浜テフラ」と同じ地層の「古安田層」に刈羽テフラが含まれていることも、理由の一つに挙げている。

 ◆「東電は根拠提示を」

 専門家グループは、東電の主張を「科学的とはいえない」と批判。東電福島第1原発事故を検証している県技術委員会の委員も務める立石氏は「中位段丘は13万年前以降につくられたというのが地質学者の総意。なぜ20万年前から30万年前とするのか、東電は一貫性のある説明をすべきだ」と求めている。

 一方、東電は藤橋40に関し、地層は下にいくほど古くなり、段丘面の下に堆積した地層を約12万〜13万年前と限定できないと主張。「火山灰の年代評価には自信があり、変更することはない」と、専門家グループの指摘を否定している。

 断層をめぐる論争は県も注視しており、米山隆一知事は「東電が科学的な根拠を示さなければ12万〜13万年前(の活断層)という方が説得力がある。東電がひたすら結論だけを言うなら当然検証させてもらう」としている。

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