節約家計簿

保険料が全額戻る医療保険も

 4月2日以降に結ぶ契約から、貯蓄性のある生命保険の保険料は、多くのケースで値上がりしています。保険料を計算する際のベースになる「標準利率」の引き下げが原因です。利率が下がると、運用によって得られる利益が減りますので、保険料を値上げして不足分を補う必要があるためです。ちなみに貯蓄性のある保険には、学資保険や終身保険、個人年金保険などが挙げられます。

 保険料の値上がりで新規加入や見直しを思いとどまった方もいるようですが、上がったのは「貯蓄性のある保険」。医療保険や収入保障保険、定期保険のように「貯蓄性のない保険」の多くは、保険料を改定していません。また、貯蓄性を求めるのが難しい昨今ですが、医療保険には「支払った保険料の全額が戻る商品」があります。運用益で保障を提供する仕組みで、東京海上日動あんしん生命やメディケア生命などで扱っています。

 東京海上日動あんしん生命が扱うのは「メディカルKitR」と「メディカルKitラヴR」。前者は、健康上、告知に問題がない方向けの医療保険で、後者は持病がある方向けの医療保険です。

 「メディカルKitR」の保険料の例を紹介すると、40歳の男性が、入院給付日額5千円、手術給付金額は2万5千円、または5万円で契約すると、保険料はひと月3725円になります。20年間の保険料の合計額と同じ89万4千円を、60歳で「健康還付給付金」として受け取ることができます。受け取る年齢が70歳だと、保険料はひと月4145円、受け取る健康還付給付金額は149万2200円になります。

 メディケア生命の「メディフィット リターン」も基本的な仕組みは同じですが、保険料の全額(100%)が戻るタイプと、保険料の全額に5%分(105%)上乗せした額が戻るタイプを選択できます。入院給付日額5千円、手術給付金額は2万5千円、5万円、10万円、20万円のいずれか、放射線治療や骨髄移植術の給付金額が各5万円で100%が戻るプランの場合、40歳男性の保険料はひと月4580円です。60歳時に受け取る健康還付給付金額は109万9200円になります。

 健康還付給付金が105%に増えるタイプで、受け取り年齢は65歳を選択すると、ひと月の保険料は5395円で、65歳時に受け取る健康還付給付金額は169万9425円になります。

 どちらも、健康還付給付金を受け取る前に入院給付金などを受け取った場合、その金額を差し引いた額が健康還付給付金額になります。また健康還付給付金を受け取った後も医療保障は続きますので、保険料の負担も継続します。(ファイナンシャルプランナー 畠中雅子)

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