※この記事は、月刊「正論6月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。
【対談】『歴史問題はトランプ大統領の靖国参拝で解決する!』麗澤大学助教 ジェイソン・モーガン×参議院議員 山田宏
モーガン 今、私は産経新聞の記事を中心に日本の主張を英語で発信する、ジャパンフォワードというウェブサイトに取り組んでいますが、やはり欧米に向けて日本の立場を英語で発信することが非常に大事になっていると思います。そこでこの機会に是非、慰安婦や歴史教育の問題に取り組んでこられた山田先生に、これからの日本について意見をうかがいたいと思います。
山田 私が杉並区長だったときに当時、扶桑社が出した新しい歴史教科書を全国の公立中学校で初めて採択したわけですけれど、ニューヨーク・タイムズがムチャクチャに報じたんですよ。山田は軍国主義者で、右翼で、修正主義者だとか、あらゆる罵倒をされまして、赤旗でもここまで曲解して書かないだろう、というくらいでした。まあ、日本にある英字新聞のジャパン・タイムスも慰安婦をforced to(強制させる)などといまだに書いていますし、本当にダメですね。
モーガン おっしゃる通りです。
山田 日本人の主張も英語に訳されたときに、自分が言ったことがきちんと伝わっていない可能性があります。編集者やライターがニュアンスを変えることもありますし、こういう日本の情報を公平・正確に伝えようとするメディアが出てこないと、本当危なっかしいなと思っています。
モーガン アメリカでは慰安婦問題の解釈ですけども、フェミニズムの立場から慰安婦はかわいそうだ、日本はなぜ謝らないのだ、という受け止め方をされています。ただ私は、慰安婦問題を学ぶほどに、後ろにいる中国の影響とか、または韓国の左派の影響が非常に強いと気付いてきました。慰安婦はパッと見たら単なる女性問題に見えるので、それが向こう側の非常に強い武器になっている気がしますが、どう思われますか。
山田 問題は日本の政府や軍が、この女性たちを無理矢理集めてきて、慰安所といわれる売春宿に強制的に連れて行って仕事をさせたのか、というその一点なんです。そこは全く違うということを世界に伝えていかないと。軍による強制の証拠は日本にもないし、世界中にも一個もないということを、まず発信しないといけません。慰安婦がいたのは、一つは商売になったからで、多くの人たちは応募して働いたわけです。もちろん、家が貧しくて、親が娘を泣く泣く手放すということがあったことも残念ながら事実ですけれども、それは軍による強制ではないのです。先の大戦末期に米軍がビルマで日本の慰安婦の調査をしていますが、その報告書でも彼女らは「売春婦以外の何者でもない」(They are no more than prostitute or camp follower)と認定されていました。強制連行されたという証拠はゼロなんだということを、きちんと主張していく必要があると考えています。