天皇陛下譲位

政府が特例法案を閣議決定 6月中に成立へ 譲位は実現すれば光格天皇以来、約200年ぶり

 政府は19日、天皇陛下の譲位を可能にする特例法案を閣議決定し、国会に提出した。陛下のお気持ちや国民の共感を踏まえて譲位を実現するとの趣旨を盛り込んだ。譲位後の呼称は「上皇」、皇后陛下は「上皇后」となる。法案は6月中に成立する見通しで、譲位が実現すれば江戸時代後期の光格天皇以来、約200年ぶりとなる。

 菅義偉官房長官は同日の記者会見で「速やかな法案の成立を期したい」と語った。陛下が譲位される時期は「全体を見る中で方向性を出していきたい」と述べるにとどめた。

 譲位は、明治期に制定された旧皇室典範以降、恣意(しい)的・強制的な譲位を排除するため、現代に至るまで認められてこなかった。今回は陛下が高齢化に伴って象徴としての務めが困難になることを深く案じられ、国民が陛下のお気持ちに共感していることを踏まえ法整備が進められた。

 法案名は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」。根拠規定は皇室典範の付則に置くことを明記した。譲位の期日は、公布日から3年を超えない範囲内で、皇室会議の意見を聞いた上で政令で定める。

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