米作りの安全と秋の豊作を祈る播種(はしゅ)祭が、桜井市の大神神社の神饌田(しんせんでん)(広さ約200平方メートル)で行われ、県内の農家でつくる神社の豊年講(ほうねんこう)の人たちが、神饌田につくられた苗代(なわしろ)に籾(もみ)をまき、米作りが始まった。
神饌田では神社の祭典で使う供え物の米作りが行われている。播種祭では神職が米の順調な生育を祈る祝詞を奏上、お祓いを行ったあと、白装束姿の豊年講の役員が籾をまく「播種の儀」を行った。
祭典終了後、神饌田の苗代に豊年講の人たちが多くの籾をまき、周囲に獣の侵入を防ぐ柵をつくった。
籾は約1カ月後には15〜20センチぐらいの苗に成長。この苗を使い6月25日に御田植祭(おたうえさい)が行われ、10月20日には育った稲を刈り取る抜穂祭(ぬきほさい)が予定されている。順調に育てば約100キロの米が収穫できるという。
また、大神神社は渇水のため中止していた摂社・狭井神社の薬井戸の給水を再開した。井戸の水位が上昇したためだが、ポリタンクなどの大型の容器で水をくんだりしないよう、協力を呼びかけている。
神社では「1人でも多くの人が神水を飲めるようにご協力をお願いします」としている。