教育動向

「非認知能力」ってナニ? 実は次期指導要領でも重視

最近、教育論議の中で「非認知(的)能力」「非認知(的)スキル」といった言葉が、よく使われています。いったい、どういうものなのでしょうか。

どうやら次期学習指導要領等(全面実施は幼稚園が2018<平成30>年度から、小学校は20<同32>年度からなど)とも大きく関わる、22世紀まで生きる子どもたちにとって、ますます注目されるチカラのようですが……。

人生の成功に必要なIQ以外のチカラ

保護者の方々も、子どものころに知能検査を受けたというかたは少なくないでしょう。「知能指数」(IQ)という専門用語も、すっかりおなじみです。国立教育政策研究所は、非認知能力についてまとめた報告書の中で、「『IQ神話』への疑い」と表現して、「知能」以外のチカラが注目された経緯をまとめています。

以前、「EQ」(こころの知能指数)という用語がブームになったことがあります。「感情的知性」(EI)の指数ということで、知性(認知能力)を働かせる別のチカラがあり、それが人生の成功には不可欠だということを示した一端だと言えます。しかし、それが何なのか、具体的に必ずしも明らかではなく、ましてや日本では、注目度は高いのに、十分な解明がなされてきませんでした。

報告書では検討の結果、非認知能力を「社会情緒的コンピテンス」と言い換えています。「社会情緒的スキル」と呼ばれることもありますが、すべての子どもに備えさせることを想定した「スキル」や「アビリティー」よりも、それぞれの子どもの特性に応じて働かせるものであることを想定した「コンピテンス」がよいとしています。細かい用語はさておき、「できるか否か」「より多く、よりたくさん持つか否か」というものではない性質に変わりはありません。

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