自民党は17日、米国離脱後の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効に向け、TPP総合対策実行本部(本部長・茂木敏充政調会長)で検討を始めた。残る11カ国(TPP11)で年内にも大筋合意を目指す政府の交渉を後押しする。ただ、党内では農家に配慮して、米国の参加を前提に受け入れた農産物の市場開放を見直すべきだとの声も上がっており、国内の理解醸成は一筋縄ではいかない。
「11カ国が結束して、TPPで合意した高いレベルの貿易ルールの早期実現を図るため、政府は各国との議論を主導してほしい」
茂木氏は会合の最後にこう述べ、政府と足並みをそろえてTPP11の交渉を支援する考えを強調した。
中国がアジア太平洋地域で覇権主義的な傾向を強める中、TPPで合意した自由で公正な貿易ルールを地域の標準として存続させなければならないとの危機感は強い。この日の会合では出席者から「11カ国で早期に枠組みを作らないとTPPは崩壊する」と交渉加速を求める声が上がった。
一方、TPPで日本が受け入れた乳製品の輸入枠や、牛肉などの緊急輸入制限(セーフガード)の発動条件をめぐり、慎重な対応を求める意見も相次いだ。