動き出した憲法改正(中)

安倍晋三首相の「2020年」ビジョン表明に反発噴出…自民党の「怠慢」は変わるのか

 時は無為に流れて平成2年。湾岸危機で自衛隊の海外派遣の必要性が問われ、自衛隊と憲法の関係に世論の関心が高まった。

 だが、自民党は背を向けるように相次いで護憲派をトップに担いだ。3年に首相に就任した宮沢喜一は5年1月、政調会長の三塚博らが改憲議論の促進を唱えたのに対し、「そう易しい問題ではないと分かってくる」と牽(けん)制(せい)した。

 5年の衆院選に大敗して下野した自民党の総裁に就いたのは河野洋平だ。村山富市(社会党)内閣の副総理兼外相として入閣した河野は6年7月、参院本会議でこう言い放った。

 「国際情勢も大きく変化し、国民の意識の変革もある。党憲法調査会も現行憲法が定着していることを指摘している」

 河野はその後、党綱領から「憲法改正」を削除しようと動いたが、さすがに党内の反発で頓挫している。

 今回、安倍が自民党の頭ごなしに具体的な方針を打ち出したのは、局面を打開することで党の負の歴史に終止符を打つためだ。

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