動き出した憲法改正(中)

安倍晋三首相の「2020年」ビジョン表明に反発噴出…自民党の「怠慢」は変わるのか

 自民党総裁である首相、安倍晋三が3日、憲法改正について「9条1、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」「2020(平成32)年を新憲法施行の年にしたい」とのビジョンを打ち出すと、党内からは感情的な反発が噴き出した。

 「首相にも十分、発言に節度をお持ちいただくのが大事だ」

 党憲法改正推進本部長代行の船田元は12日、こう露骨に安倍を批判した。「施行時期なんて示したら野党が怒り、憲法審査会の議論が止まる」と嘆く推進本部メンバーもいる。

 憲法問題に長く携わる船田や党憲法改正推進本部長の保岡興治は、「憲法族」と呼ばれる。憲法審の前身の憲法調査会長を務めた元外相、中山太郎の門下生だ。少数政党に平等に発言機会を与えて野党に配慮する「中山ルール」を堅持する立場をとる。

 ただ、憲法審は与野党対立を恐れるあまり、9条をはじめとする憲法改正の議論にまともに踏み込んでこなかった。議論に消極的な民進党(旧民主党)の遅滞戦術に、自民党が引きずられてきた感がある。

 連合国軍総司令部(GHQ)が草案を作った日本国憲法の施行から70年。憲法改正がいまだに実現しない原因は、長く与党を務める自民党の怠慢にあるといってよい。

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