関西の議論

温厚なゾウがなぜ飼育員襲ったのか 原因不明の死亡事故、人気イベント中止のアドベンチャーワールド苦悩

来園者の前で好物の氷や果物を食べるゾウ。飼育員の死亡事故を受け、こうしたイベントは中止された=和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド
来園者の前で好物の氷や果物を食べるゾウ。飼育員の死亡事故を受け、こうしたイベントは中止された=和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド

 和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」で3月、男性飼育員(37)が雌のアジアゾウに襲われ死亡する事故が起きた。同施設には他に約10頭のゾウがいるが、事故後は飼育員がおりに入らず餌を与えるなど飼育方法を変更し、ゾウと触れ合う人気イベントも中止した。ゾウはトラやライオンなどと異なり、調教すれば間近で観察できる数少ない動物で、イベントを集客の要とする動物園も多い。しかし同施設は安全面を最優先で考慮。温厚とみられたゾウが飼育員を襲った原因は不明で、イベント再開のメドは立っていない。

開園前の事故

 事故が起きたのは3月12日午前9時15分ごろ。タイ国籍の男性飼育員が鉄製のおり(高さ4メートル、縦6メートル、横18メートル)の中で、40歳の雌のアジアゾウのラリー(高さ約2・8メートル、体重3・5トン)に襲われた。

 男性飼育員はもう一人の飼育員とともに午前9時ごろからホースでラリーに水をかける作業をしていたところ、ラリーが突然立ち上がり、鼻を使って襲ってきたという。男性飼育員は鼻の直撃を受け、鉄製のおりで頭部などを強打。もう一人の飼育員が救助したが、搬送先の病院で死亡が確認された。開園前で来園客はいなかった。

 男性飼育員はタイで10年以上ゾウを飼育した経験があり、専門の調教技術も持ち、信頼が厚かったという。施設の広報担当者は「(ラリーが)人を襲うようなことは過去になく、原因は分からない」と話す。

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