国際情勢分析

中国の国防動員法 「戦争法」は有事にヒト・モノ・カネすべて強制接収

 対中進出した外資系企業も含め、あらゆる組織が戦時統制の下に置かれる。こうした一党支配の強権を象徴する「戦争法」こそ警戒すべき対象ではないか。

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 他方、米国には大統領権限で行使できる1977年10月施行の「国際緊急経済権限法」がある。安全保障や外交面で重大な脅威があると判断されれば、対象国の資産没収、国外で保有されている米国債の価値を無効にすることも可能だ。

 安倍晋三首相(62)とドナルド・トランプ大統領(70)による2月の日米首脳会談で、米国の日本防衛義務を定めた安全保障条約第5条の尖閣諸島(沖縄県石垣市)への適用が初めて共同声明に明記された。

 米財務省の3月の発表では、昨年6月末時点の米国債保有高で中国は1兆6300億ドル(現在のレートで約178兆円)と、日本の1兆9600億ドルに次いで世界2位。ただ、仮に中国が尖閣諸島や周辺で軍事行動を起こし、トランプ大統領がこれに同法を適用すれば、中国が保有する米国債は紙くずにもなる。

 中国の国防動員法は独善的だが、米国の場合は少なくとも中国に対し、安易な軍事行動を思いとどまらせる抑止力がありそうだ。

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