衝撃事件の核心

「ここで腹切るわ!」キレた市議がテレビ局で〝切腹未遂〟騒動 政活費報道めぐり直談判 不可解な市幹部同行

訴訟が進む中、オンブズマンが証拠品の一つとして地裁に提出したのが、発端となったニュース番組を録画したDVDだった。これは朝日放送が提供したものではなかった。

左近前市議は今年3月下旬ごろ、弁護士を通じてDVDの存在を知ったという。左近前市議の言い分とすれば、「事実と違う。捏造(ねつぞう)ではないか」としていた内容が、証拠として地裁に提出されることに怒りを感じたわけだ。

議論は平行線、突如包丁を…

そうして迎えた事件当日の4月21日。左近前市議は朝日放送へ市の公用車で向かった。なぜか、松田貴仁・市長公室長と2人の幹部級職員も、左近前市議の要望に応じて同行していた。松田公室長によると、事件を起こす前の左近前市議は、興奮するなど不審な動きは特段なかったという。

朝日放送の報道局幹部2人と、1階エントランスのテーブルを挟んで話し合いが始まったのが午後3時ごろ。左近前市議はこう話したとされる。

「放送によって精神的にも肉体的にもダメージを受けた。放送に携わる者として、そうしたことを分かってもらえないのか」

問題の放送があったのは27年4月の市議選(統一地方選)直前というタイミングだった。左近前市議はこの市議選で1800票以上を集め、24人中9位(定数19)で無事5選を果たしたが、前回選挙からは500票余りも票を減らしていた。放送が選挙に影響を与えた可能性もあるとして、朝日放送側に謝罪を求めようとしたのかもしれない。

一方、朝日放送側の説明は「事実を適切に報道した」の一点張り。左近前市議は、自分としては不本意な映像が裁判に証拠として提出された-という理屈で抗議を続けたが、話は平行線をたどるだけだった。

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