【正論6月号】日本の周囲は反日宣伝や不当な領土占拠を続ける国だらけ 憲法9条信奉者に考えて欲しい欠格とは 元陸将補 矢野義昭(5/8ページ) - 産経ニュース

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正論6月号

日本の周囲は反日宣伝や不当な領土占拠を続ける国だらけ 憲法9条信奉者に考えて欲しい欠格とは 元陸将補 矢野義昭

 外交上も「防衛駐在官」はいるが他国の「駐在武官」ではない。パリの独立記念日にはシャンゼリゼ通りを各国の軍の代表者が礼装でパレードをする。たまたま見る機会があったが、自衛隊だけは勲章も数少ない地味な礼装姿で、実にさみしい思いがしたものだ。  

 殉職自衛官は法務死として扱われて、その慰霊碑は防衛省の市ヶ谷駐屯地の敷地内にある。しかし、自衛官には、有事又は任務遂行中に死亡した場合のいわゆる「戦死」に関する規定も、その場合の慰霊についての規定もない。  

 犠牲者が出てから、また泥縄で対応するのであろうか。戦死者の慰霊をよそに、慰霊のあり方がまた政争の具とされるのであろうか。いずれにしても、自衛官の戦死者に軍人としての栄誉と国家的慰霊は期待できそうにもない。

無抵抗主義はいかに妄想か 

 日本は、海に取り囲まれ、領海、領空という緩衝地帯に守られてきた。しかし現代では、ミサイル、無人機、サイバー、特殊部隊などの国境を容易かつ迅速に浸透する脅威が深刻化している。脅威はグローバル化し、瞬時に国境の障壁を超えて浸透し、攻撃できるようになってきているのだ。  

 我が国の防衛は、憲法に基づき「専守防衛」を基本方針としているが、この方針のもとでは現代の脅威に対応できず、侵略者の手に当初から国土や国民の一部を委ねるのは避けられない。専守防衛は国家としての防衛義務を最初から一部放棄したに等しい、無責任で冷酷な防衛方針と化している。  

 このような環境変化を踏まえれば、ミサイル、サイバーなどの脅威に対し、敵基地攻撃論、先制攻撃論が出てくるのも当然と言えよう。そうしなければ脅威を根絶できず、一度奇襲を許せば、民間も含めわが方に甚大な損害が出ることが避けられないためである。  

 侵略者から国土の完全回復を目指すのであれば、侵略者を完全に駆逐できるだけの戦力を確保できるよう、予備役を整備し動員態勢を整え、いざとなれば国民自らが武器をとって戦える備えがなければならないはずである。