【正論6月号】日本の周囲は反日宣伝や不当な領土占拠を続ける国だらけ 憲法9条信奉者に考えて欲しい欠格とは 元陸将補 矢野義昭(3/8ページ) - 産経ニュース

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正論6月号

日本の周囲は反日宣伝や不当な領土占拠を続ける国だらけ 憲法9条信奉者に考えて欲しい欠格とは 元陸将補 矢野義昭

自衛隊を軍隊にさせない9条

 自衛隊は朝鮮戦争が勃発し、在日米軍が朝鮮半島に動員される中、日本本土の防衛、特に地上軍による侵攻を抑止し治安を維持することを目的として、マッカーサーの上からの指令に基づき、にわか作りで創設された。  

 さらに、自らが押し付けた9条と矛盾しないように、警察組織の一環として「警察予備隊」との偽装のもとで発足した。そのため、防衛二法は警察法を基本として起案された。そのひずみがいまだに残っている。

 「軍」や「兵」といった文言は極力避けられ、GHQの指示で、階級呼称から兵器の呼び方まで偽装がなされた。階級は軍の通称ではなく警察組織に倣い、例えば「大尉」は「1尉」、「少尉」は「3尉」と称する。このため、しばしば階級序列が一般の人に逆転して理解されることになる。「歩兵」は「普通科」と呼ばれる。時々、普通科の高校と間違われる。私も任官当時、「普通科3尉」が「歩兵少尉」に当たることをいちいち説明しなければならなかった。 「砲兵」は今でも「特科」と称される。「戦車」は、もともと「特車」と呼ばれていた。「軍手」も「手袋」である。航空では「対地攻撃機」は「対地支援機」と呼ばれる。海上自衛隊では先日、最新鋭のヘリ空母『かが』が就役したが、あくまで英訳すればデストロイヤー(=駆逐艦)の扱いだ。『かが』のような大型ヘリ空母が「駆逐艦」だと聞かされて、米軍将校は吹き出すという。

 自衛官の誇りを失わせ、国内外に誤解や失笑を招く、このようなごまかしはもう止めてはどうか。  

 自衛隊の場合、平時の武器の使用は、警察官職務執行法に基づき認められているにすぎない。国連などの平和維持活動で認められている任務遂行のための武器使用は近年緩和はされたものの、国際標準並みには認められていない。「現に戦闘の行われている地域」では自衛隊は活動できず、武装テロ集団に拘束された日本人の人質を救出に行くのは困難だ。  

 また、PKO参加5原則により自衛隊の海外展開には受け入れ相手国の了解が必要となる。朝鮮半島で緊急事態が発生し邦人救出を行う必要が生じても、韓国や北朝鮮の了解が無ければ自衛隊は相手国領土内には入れず、直接救出活動はできない。現状では米軍に、米国民に対する非戦闘員退避活動の一環として、その余力で日本人救出を依頼するしかないだろう。