世界で同時多発した大規模サイバー攻撃をめぐっては、日産自動車の英国工場の生産システムなど日本企業にも影響が広がった。ロシアのネットセキュリティー会社「カスペルスキー ラボ」が世界で確認した被害報告のうち、少なくとも約6%が日本への攻撃とみられるという。週明けに職場などでインターネットに接続し、被害が拡大する恐れもあるため注意が必要だ。
今回使われたとみられるランサムウエア(身代金要求型ウイルス)は「WannaCry」(泣きたくなる)と呼ばれる。パソコンの内部データにロックをかけ、文字を暗号化して読めなくするなどして、復元のための金銭を要求する。
重要データが保存されている企業のパソコンなどを狙うケースが多く、ウイルスが仕込まれたメールの添付ファイルを開くなどして感染する。
また、スマートフォンを標的にしたウイルスも急増。昨年春には、日本語表記のランサムウエアが初めて確認され、スマホ内の写真データを盗み取り、恐喝するといった手口の悪質化も懸念されている。