東日本大震災6年2カ月

復興支えた市民の台所閉店へ 石巻・被災スーパー「エスタ」

5月末で閉店することが決まったスーパーマーケット「エスタ」。閉店を告げる看板が立ち、不要になる買い物かごも販売されている=11日、宮城県石巻市(林修太郎撮影)
5月末で閉店することが決まったスーパーマーケット「エスタ」。閉店を告げる看板が立ち、不要になる買い物かごも販売されている=11日、宮城県石巻市(林修太郎撮影)

 東日本大震災の最大被災地・石巻市で復興への道のりを市民と歩んできた、市役所1階に入るスーパーマーケット「エスタ」(同市穀町)が今月末に閉店する。同店は、閉店の理由を震災の影響による売り上げ低迷が原因と説明。利用者からは「さみしい」「不便だ」との声が上がっている。(林修太郎)

 エスタは平成20年、JR石巻駅前の百貨店跡地に開店。震災時は津波で浸水し、商品や設備などに数千万円相当の被害が出たが、2カ月後に営業を再開。市民の台所として復興を支えてきた。

 だが、震災後は、顧客の大部分を占めていた市中心部の人口が減少。駐車場の不便さもあり、郊外店にも客を奪われた。震災前は月4千万円以上あった売り上げは、約4分の3程度まで落ち込んでいた。

 石巻の復興のため、厳しい経営状態の中で営業を続けた同店だったが、限界だった。店長の和賀井健介さん(35)は「今後、経営が上向く要素はない。取引先に迷惑はかけられなかった」と肩を落とす。

 近くの主婦、藤原はるみさん(65)は「続けてもらいたかった。震災の時は本当に物がなくて、この店でパンなどの食べ物が買えて、とてもありがたかった。さみしいし、困る」。

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