【衝撃事件の核心】「身から出たサビ」女性裁判長が一刀両断 「母親の代わりに親孝行」と尽くした知人を殺害、男に下した判決(1/4ページ) - 産経ニュース

メインコンテンツ

衝撃事件の核心

「身から出たサビ」女性裁判長が一刀両断 「母親の代わりに親孝行」と尽くした知人を殺害、男に下した判決

生活困窮者のための社会福祉施設で出会った男性に、亡き母を重ねて身の回りの世話を焼いていた男。2人の関係はいつしか変貌し、男はついに男性の首を絞めて殺害するに至る。一体、何があったのか―
生活困窮者のための社会福祉施設で出会った男性に、亡き母を重ねて身の回りの世話を焼いていた男。2人の関係はいつしか変貌し、男はついに男性の首を絞めて殺害するに至る。一体、何があったのか―

 社会福祉施設で出会った男性に、生きていれば同じ年だった亡き母を重ね、身の回りの世話を焼いた。それなのに、男性を殴りつけると馬乗りになり、力を込めて手で首を絞め、殺害してしまった。「お前の人生、むちゃくちゃにしてやると言われた。もうこの人はだめだ。やるしかないと思った」。知人男性=当時(73)=に対する殺人と死体遺棄罪に問われた住居不定の無職男(43)に対する裁判員裁判が3月、京都地裁で開かれた。公判で注目されたのは、かいがいしく身の回りの世話をしていたほどの男性を、なぜ殺害したのか。公判で被告側が主張したのは、知人関係が主従関係へと変貌(へんぼう)し、「まるで介護疲れ」にまで至ったという、〝奇妙な関係〟だった。

「お父さん」と呼ばれる男性

 「母親にしてやれなかった親孝行をしようと思った」

 男は被告人質問で知人男性との関係を話し始めた。

 男が男性と出会ったのは、約2年前の平成27年4月ごろ。生活困窮者のための社会福祉援助施設(ソーシャルホーム)でだった。

 男は仕事を求めて京都にやってきたが、うまくいかず、京都市に紹介された同施設で生活するようになった。昼間はアルバイト、空いている時間はハローワークに通っていた。

 男性とはバイト前にテレビを見ながら食事をするなど親しい仲になった。男性は施設で「お父さん」的存在だったといい、男も男性のことを「お父さん」と呼ぶようになった。

 その後。ホテルでの仕事が見つかり、男は同年5月末、施設を出る。そして、自分より2週間ほど早く施設を出ていた男性を訪ねた。高齢で足が不自由だったため「1人暮らしができているか心配になった」からだった。