安倍晋三首相は11日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と初めて電話会談した。両首脳は関係改善に意欲を示し、早期に首脳会談を実現することで一致。安倍首相は慰安婦問題をめぐる日韓合意について「責任を持って実施していくことが重要だ」と求めた。一方、韓国大統領府によると、文氏は「国民の大多数が心情的に合意を受け入れられないのが現実」としながらも、「双方が賢く解決できるよう努力する必要がある」と述べた。
両首脳の会談は約25分間行われた。冒頭、安倍首相は「韓国は日本にとって戦略的な利益を共有する重要な隣国だ。大統領とともに未来志向の日韓関係を築きたい」と述べた。
安倍首相は、「日韓合意を含む2国間関係を適切にマネージしていきたい」と述べた上で、合意は「両国間で約束したものだ。国際社会から評価され、未来志向の日韓関係を築いていくための欠くことができない基盤だ」と強調し、再協議を主張する文氏を牽制(けんせい)した。ただこの日の会談では、文氏が合意の再交渉を持ち出すことはなかったという。
北朝鮮問題をめぐっては、日韓が緊密に連携して対応する方針を確認した。
これに先立ち、文氏は10日夜、トランプ米大統領と電話会談し、米韓同盟の結束を再確認するとともに、早期に首脳会談を行うことで一致した。