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期待高まる「がん免疫療法」有効性は? 国立がん研究センターが効果「あり」「?」を分類 「正しい理解を」呼びかけ

併用で副作用も

 効果が明らかでない免疫療法と免疫チェックポイント阻害剤を併用した自費診療も登場している。

 大場医師のクリニックにセカンドオピニオンを求めて訪れる患者の質問には、例外なく、オプジーボや類似薬「キイトルーダ」などの名前が挙がるという。大場医師は「保険適用された疾患以外のがんに使いたいというニーズはあり、応じる医療機関もある。効果不明の免疫療法と併用するところも多い」と証言する。

 だが、こうした使い方には危うさも伴う。「免疫療法は体に優しい」との誤解があるが、免疫チェックポイント阻害剤には、従来の抗がん剤とは異なる副作用もある。大場医師は「がん治療に精通した医師のいる医療機関で使う薬で、クリニックレベルで使う薬ではない」と断言する。

 併用による副作用事例もある。オプジーボを製造販売する小野薬品工業は昨年7月、厚生労働省の専門部会に「適正使用のお願い」を提出。その中で自費診療の免疫療法とオプジーボの併用で重い副作用事例が6件あり、うち1例は死亡事例だと明らかにした。

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