夫の墓に入りたくない…「死後離婚」急増 ハンコ1つで完了「姻族関係終了届」、専門家「妻側だけの問題ではない」

 高原さんは1994年に結婚したが、夫の不倫問題が発覚し、2008年から別居。夫は離婚に応じないまま、11年に食道がんで亡くなった。

 がん発覚後、高原さんは病院で夫の看病をしたが、死後、入院時の荷物から多数の女性との関係を示す写真やメールを発見。「もう夫の妻として生きていきたくない」との思いから死後離婚に踏み切った。

 高原さんは姻族関係終了届に加え、夫の戸籍から結婚前の戸籍に戻す「復氏届」も提出。さらに家庭裁判所の許可を得て、夫との間に生まれた長女を自分の戸籍に入れる手続きも行った。

 高原さんは「同じ戸籍の中で夫と名前を並べるのは、彼の生き方を容認しているように感じた。死後離婚でけじめをつけなければ前には進めなかった」と振り返る。

 高原さんはこうした経験を生かし、夫婦問題カウンセラーとして大阪で活動。セミナーなどで死後離婚についての情報提供や相談活動を続けている。

 「死後離婚のタネは妻だけではなく、夫婦関係の中にある。妻は家制度の名残で親族の中でも求められる役割が多い。夫は元気なうちに、妻の立場になって介護問題などを自分の親や兄弟と話し合い、将来起こり得るトラブルの原因をクリアにしておくことが重要」(高原さん)

 「立つ鳥跡を濁さず」を心がけたい。

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