浪速風

五月病には寺山修司が効く

5月になると寺山修司を想う。「われに五月を」は、歌人、詩人、劇作家など多才の人の第一作品集である。「きらめく季節に/たれがあの帆を歌ったか/つかのまの僕に/過ぎゆく時よ/二十才 僕は五月に誕生した」(「五月の詩・序詞」から)。薫風が吹き渡るような、さっそうとしたデビューだった。

▶大学に入ったばかりで環境の変化に戸惑う小欄は、「書を捨てよ、町へ出よう」にどれほど勇気づけられたことか。卓抜なアジテーションだった。「ふるさとの訛りなくせし友といて モカ珈琲はかくまでにがし」。青森県出身の寺山が津軽弁で押し通したのも、田舎育ちのコンプレックスを消してくれた。

▶競馬のアイドルホースを詠んだ「さらばハイセイコー」が好きだ。GW明けは、新入生、新社会人が五月病になりやすい。そんな時、次のフレーズを口にするといい。「ふりむくな/ふりむくな/後ろには夢がない」。47歳で世を去ったのも5月だった。