【パリ=宮下日出男】フランス大統領選は7日、決選投票が行われ、即日開票の結果、欧州連合(EU)との協調を重視する独立系のエマニュエル・マクロン前経済相(39)が「反EU」派の極右、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン候補(48)を大差で下し、新大統領に選出された。マクロン氏は8日、新政権発足に向けた準備を加速させた。
現行の第五共和制憲法が公布された1958年以降、左右2大陣営に属さない仏大統領の誕生は初めて。39歳の大統領は仏史上最年少。「親EU」マクロン氏の大統領選出は英国離脱などで求心力が低下するEUの再生に弾みとなりそうだ。大統領の任期は5年。就任式はオランド現大統領が任期満了を迎える14日に行われる。
マクロン氏は投票から一夜明けた8日、欧州での第二次世界大戦終結を記念する式典にオランド氏とともに出席。7日夜には英独首脳らと早速電話会談し、メルケル独首相に早期の訪独の意向を伝え、メイ英首相とは英国のEU離脱問題も協議するなど、新大統領として始動した。
政治運動「前進」を率いて独自に出馬したマクロン氏にとっては組閣後、6月の国民議会(下院)選で政権の安定基盤を確保できるかが当面の焦点となる。