感染危機 薬が効かない(上)

「聖なる大河」に漂う耐性菌 発熱・吐き気…体調不良の住民続出

 国立国際医療研究センター(東京都新宿区)の国際感染症センター長、大曲貴夫(45)は「米国では耐性菌の問題は国の安全保障であるという考え方で保健対策が行われている」と話す。現在ある全ての抗菌薬が効かない菌が広がれば、それは一国家にとどまらず、人類の危機となる。武器となる新たな抗菌薬の開発が急がれる一方で、耐性菌を増やさないための対策も早急に進める必要がある。(敬称略)

 抗菌薬、いわゆる抗生物質が効かない耐性菌が人類の脅威となりつつある。世界保健機関(WHO)も本腰を入れる耐性菌の実態と対応策を探る。

【用語解説】耐性菌

 抗生物質などに抵抗力を持った細菌。体内に菌が残っているのに抗生物質の服用を途中でやめてしまうなど、不適切な薬剤の使用によって、抗生物質に耐えられる菌が発生する。複数の薬剤に耐性を持つ菌は多剤耐性菌と呼ばれ、効かない薬剤が多くなればなるほど、治療の選択肢が限られてくる。

会員限定記事会員サービス詳細