新聞に喝!

朝日は「宗教的な執念」、産経は「反日思想?」 あまりに不可解な寺社への液体テロ 元東京大学史料編纂所教授・酒井信彦

 これらの記事で注目されたのは、産経と朝日の犯人像に関する論調の相違であった。産経が「反日思想?」と反日の要素を重視しているのに対して、朝日は「『宗教的な執念』か」と宗教的要素に注目しているからである。

 産経は、この男が韓国系牧師が創立した教会でキリスト教に出合い、自ら集会を開催していたと指摘しているが、朝日は「この医師は集会で、液体をまく行為を『清めだ』と主張していた」とあるだけで、いかなる宗教であるかをまったく説明していない。

 これは産経の解釈の方が優れている。液体をまく行為が単なる宗教的な清めなら、日本の文化財ばかりを狙う必要はない。

 この場合、韓国系のキリスト教の新興宗教であることは見逃せない点であろう。日本国籍の所有者であっても、いろいろな背景の人間がいるわけであり、歴史問題に関連した反日思想の所有者である可能性は十分に考えられる。

 今回の事件の容疑者判明を報じた新聞各社の記事の扱いは、産経、読売、日経が大きく、朝日、毎日、東京はそれより地味だった。これは歴史問題が関係していることを暗に反映しているのではないのか。