関西の議論

「ソーシャルビジネス」って何? 子育て、介護、環境…ノーベル平和賞で脚光、身近な問題をビジネス手法で解決、利益も

ソーシャルビジネス・ドリームパートナーズの投資先として決定したカンボジアの「ドリームガールズプロジェクト」で作品を披露する女性=2013年3月、プノンペン
ソーシャルビジネス・ドリームパートナーズの投資先として決定したカンボジアの「ドリームガールズプロジェクト」で作品を披露する女性=2013年3月、プノンペン

 子育てや介護、環境保護、地域活性…。身近な社会問題をビジネスの手法を使って解決しようというのが「ソーシャルビジネス(SB)」。2006年のノーベル平和賞に、貧困層向け小額融資「グラミン銀行(バングラディシュ)」が受賞したことで一躍注目を集めたが、日常の暮らしではなじみが薄い。ビジネスの現場をのぞいてみると、思いがけない可能性を秘めていた。(原田純一)

聴覚障害者が研修指導

 「声や言葉を使わず、自分の出身地や趣味を他の人に伝えてください」-。昨年夏、神戸市内の大手スポーツメーカーで、一風変わった研修会が開かれた。アジアや欧米などさまざまな国籍の従業員が働く同社の労働組合が主催し、欧州出身の1人を含め約15人が参加した。

 研修を指導したのは、もともと聴覚障害者の社会進出支援のために誕生した株式会社「Sillent Voice(サイレント・ボイス)」(大阪市西区)。研修プログラムは尾中友哉社長(27)らが開発し、講師は社員の聴覚障害者も務めた。

 研修は、「言語や文化の違う人たちとのコミュニケーションが難しい」というスポーツメーカー社員たちの声を受けて実施。メーカーの労組幹部は「情報伝達の難しさと大切さを改めて実感した。会社主催でできないか提案している」と手応えを話した。

 尾中さんは聴覚障害のある両親をもち、自身が手話を使えなかった幼い頃はボディーランゲージで会話した。「親との体験を生かして、何か社会に役立つことはできないか」と、昨年7月にこうした研修をスタート。会社は社員4人のうち2人が聴覚障害者で、活動は幅広い。

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