ミサイル発射や核実験による挑発を繰り返す北朝鮮に対し、トランプ米政権は武力行使も選択肢とし、オバマ前政権時代と異なるアプローチを見せている。緊迫の度合いが増す中、北朝鮮の後ろ盾となってきた中国でも、従来の認識や政策の見直しを求める声が目立つようになっている。
「現在の状況を見ると、北朝鮮は中国の潜在的な敵だ。韓国は中国の友人となり得る」
「中国と北朝鮮はもはや戦友ではない。短期間のうちの中朝関係の改善は不可能だ」
上海・華東師範大学の冷戦史の専門家、沈志華教授は3月、大連外国語大学での講義でこう語った。
北朝鮮に厳しい姿勢をとってこなかった中国政府を批判するかのような沈氏の発言は、国内外で話題となった。
米紙ニューヨーク・タイムズ(18日付、電子版)も沈氏の議論を取り上げ、「北朝鮮の核開発が東アジアとその域外でも緊張を高めているにもかかわらず、北朝鮮との関係を断ち切ろうとしない中国の北朝鮮政策に対する大胆な挑戦だ」と指摘した。