浪速風

タケノコのように季節が変わる

「雨後の筍(たけのこ)」は物事が相次いで現れることのたとえだが、この時期、雨が降らなくても、土の中からニョキニョキと顔を見せる。千里ニュータウンは広大な竹林を造成した。まだそこここに残っており、手をかけてやらないと荒れる。地元にボランティアの会があって、増えすぎた竹を間引いている。

▶タケノコは鮮度が命で、じきにえぐみが出てくるが、掘りたてのものは生でも食べられ、甘みがある。タケノコごはんでも、木の芽和え、土佐煮もおいしい。以前は竹林の持ち主が朝掘りのタケノコを道端で売っていた。これぞ地産地消、安いのでよく買った。ここ数年、見かけなくなったのは残念だ。

▶春を感じさせる味覚だが、俳句では夏の季語である。「すゝしさや竹の子竹になりおふせ」(子規)。見ごろだった桜は散り、萌(も)える若葉に主役を譲った。ツバメがやって来て、近所の軒先で子育てをしている。季節の移り変わりは、タケノコが成長するように早い。