宮武さんは会の立ち上げを機に、自身でも日傘をさしてまちを歩くようにした。「私が傘をさして歩いていると、周りの人が空を仰いでいた。雨が降っているかと思うんですね。じろじろ見られましたが、日傘をさして子供を遊園地にも連れて行きました」
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まちで日傘をさす男性を見かけるようになったのは、記録的な猛暑だった22年夏ごろで、外回りのサラリーマンたちが使い始めた。そして25年には、「日傘男子」という言葉がはやり、同年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補にも選ばれた。
「心斎橋みや竹」のネット通販では、宮武さんがデザインし、職人が丹精込めてつくった男性用日傘を扱う。これまでに製造したのは二十数種。価格は8千〜2万円(税別)で、無地の定番から、日本画風のタカをあしらった柄やアーガイル、作家のいとうせいこうさんがデザインしたドクロ柄など多彩だ。
軽やかさを出すために、素材は綿が中心。宮武さんは「雨傘ではなく、日傘らしく見せることを心がけている」と話す。ここ数年、売り上げも上向いている。
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それでも、大阪市内の百貨店で大々的に男性用日傘の売り場を設けているところは少ない。