姫路城の三の丸広場周辺にあったとされる「三の丸御殿」復元の可否を模索する「姫路城を守る会」が26日、姫路市内で、戦災で焼失した名古屋城本丸御殿の復元に携わった名古屋工業大大学院の麓和善教授を招いた講演会を開いた。麓教授は「復元には史実に忠実であることが必要。姫路城の御殿復元でも、跡地の発掘や資料収集などの成果を反映させることが欠かせない」と述べた。
三の丸御殿復元に向け、姫路市は平成29年度予算で基礎調査費250万円を計上。ただ、復元のための資料は少なく、「守る会」が500万円の謝礼金を用意し、古写真などの情報提供を呼びかけている。
講演会で麓教授は、名古屋城本丸御殿の復元では、戦前の調査で詳細な実測図や写真が残されていたため内装を含めた復元が可能だったとした上で、「姫路城の御殿復元も、発掘調査の成果などを積み上げることで史実に忠実な復元が可能になる」と指摘した。
一方で、建物の耐震性も求められていることを受け、御殿の復元には建築当時にはなかった耐震工法を採用していることも紹介した。