思ふことあり

国と国の関係は冷えていても人と人との交流が一番の安全保障 スポーツジャーナリスト・増田明美 

 北上を続ける桜前線は津軽海峡を越え北海道へと渡った。桜の名所は花見客でにぎわい、海外からの観光客もニッポンの春を満喫したことだろう。

 しかし、桜は日本だけのものではない。韓国でも桜の名所が各地にある。韓国南部・昌原市鎮海区の約34万本の桜は韓国最大規模だ。そして、新羅千年の古都・慶州。屋根のない博物館と呼ばれ、世界文化遺産にも登録されている街を約20万本の桜が彩る。

 その慶州で毎年4月初旬に開催されているのが「慶州さくらマラソン&ウオーク」。スポーツで日韓の交流を深めようと1992年に始まったこの大会は今年で26回目。私はゲストランナーとして招かれ、福岡や山口をはじめ全国から集まった皆さんと楽しい時間を過ごした。

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 大会前日、釜山から慶州に向かう車の中でガイドの女性が説明してくれた。

 「1974年に朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が推進した桜の大植樹運動で鎮海や慶州に多くの桜が植えられました。その娘さんが今朝(3月31日)逮捕された朴槿恵(クネ)さん(元大統領)です。お父さんはいろいろ問題もありましたが、経済発展など功績も多かった。だから娘さんにも期待しましたが、はずれました」と。

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