脳を知る

5分で死に至る心室細動…119番だけではダメ、脳血流を保つため一次救命措置が重要

 119番通報から救急車到着までの平均時間は8・6分といわれており、約5分で死に至る心室細動は救急車の到着を待っていると救命できません。よって、救命のためには周囲の人たちが直ちに「BLS」といわれる一次救命措置を行う必要があります。

 まずは大勢の助けを呼び、皆で手分けをしてAEDを探し、人工呼吸や心臓マッサージを始めます。心臓マッサージは胸の真ん中に両手のひらを置き、胸が5センチ下がるくらいの強さで1分間に約100回の速さで圧迫します。心臓マッサージで脳への血流を保ち、AEDが到着すれば直ちに電気的除細動を行って正常の心拍の再開を試みます。AEDは機器自体が操作方法を音声で指示してくれます。誤作動もありません。

 心拍の再開、すなわち脳への十分な血流が再開されるまでの時間が短いほど、確実に救命率が上がります。年間7万人の心臓突然死の中の約2万5千人が心停止時に周囲に人がいたとされており、救急車到着までの適切なBLSで救命できた可能性があります。最近、学校や自動車教習所など色々なところでBLSを習う機会が増えています。身近な方の突然死を防ぐために、積極的にBLSを習ってみてください。

(和歌山県立医科大学 救急集中治療医学・脳神経外科 講師 藤田浩二)

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