川崎踏切事故

発生から1週間、広がる悲しみ… 検知センサー、非常停止ボタン、事故防止策機能せず、重い課題残す

 一方、次回の設備更新で導入を予定している、より高感度のレーダー式センサーにも、人のサイズを必ず検知できる能力はないという。同社は「死角を完全に埋める技術がまだない。感度を上げすぎても、鳥などに反応して通常運行に悪影響を及ぼす可能性があり、課題が多い」と説明する。

 また、現場の踏切に4つ設置されていた非常停止ボタンも、いずれも押されなかった。トラブル発生時に非常ボタンを押す行為が一般に浸透していなかったとみられ、同社は「異常があったら少しでも早く押してほしい」と重要性を訴える。

 現場周辺の取材中にも、踏切内に取り残され、若い人に手を引っ張られて渡りきる高齢者を記者は何度も目撃した。17年3月に東京都足立区の踏切事故で母を亡くし、踏切事故の遺族でつくる「紡ぎの会」の代表を務める加山圭子さん(61)は今回の事故後、献花に訪れ、「犠牲を決して無駄にせず、再発防止に努めてほしい」と話した。

■京急川崎第1踏切 京急電鉄川崎駅-八丁畷駅間にある横21・6メートル、幅9・3メートルの踏切。京急が開通した明治期に設置された。当初は手動で遮断機の開閉作業を行っていたが、昭和61年に現在の形となった。平日午前のピーク時には、1時間で上り線下り線計51本の電車が通過し、快特の通過速度は時速約115キロ。国の規定に基づき、最低でも警報機が鳴ってから約40秒後、遮断機が下りてから約20秒後に、電車が通過する。

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