川崎踏切事故

発生から1週間、広がる悲しみ… 検知センサー、非常停止ボタン、事故防止策機能せず、重い課題残す

 同僚「彼らしい」

 児玉さんを知る同僚らからは、悲しみや驚嘆の声が相次いだ。

 以前同じ部署で働いていたという男性行員(54)は、「いるだけで周りを明るくすることができる人だった。ニュースを聞いたとき『彼らしい』と思ったが、残された家族が心配だ」と瞳を潤ませた。

 「(事故当時)周りにたくさんの人がいたけれど、『大丈夫かな』とは思いつつ、誰もアクションを起こさなかった。児玉さんだけが行動した」。事故を目撃した男性はそう話し、うつむいた。

 関係者によると、児玉さんは九州出身。横浜銀行辻堂支店の支店長や川崎支店の上席副支店長を歴任し、平成27年から現職の人材部主任人事役を務めていた。

 採用面接時に児玉さんが面接官だったという20代の男性行員は、「仕事がうまくいかない時には声をかけてくださる温かい人だった。児玉さんが採用してくれたことを胸に頑張りたい」と前を向いた。

 難しい安全管理

 事故は踏切の安全確保の難しさも浮き彫りにした。

 京急電鉄によると、現場踏切には、車などの大きな障害物を検知する光電式の「障害物検知センサー」が備えられていたが、人のサイズはセンサーの死角に入ることが多く、事故当時も作動しなかった。作動すれば発光信号機が点灯して踏切内の異常が運転手に伝わり、事故防止に役立つ。

会員限定記事会員サービス詳細