平成30年史 JRの歩んだ道編(4)

新幹線技術「中国移転は失敗」 いまや日本のライバルに

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 JR各社の営業努力は、ここ数年、さまざまな形で実現しつつある。

 数十万円のチケットが瞬く間に完売するなど、人気を集める豪華列車による旅行は各社が競って導入を進めている。だが、5月にデビューする東日本の豪華列車「トランスイート四季島」が北海道に上陸するのを除くと、西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風」も、九州の「ななつ星in九州」も、ルートは自社管内だけだ。

 民営化当初、会社をまたぐ在来特急は、本数を減らさない方針が徹底され、全33列車が温存された。そのうち今も残るのは唯一の寝台列車「サンライズ瀬戸・出雲」(東京-高松・出雲市)を含む計5列車のみだ。

 会社の境界をまたぐ運行について関係者は「やらないわけではない。今後の話だ」と説明する。だが、その言葉には分割が定着した今、「一つの国鉄」を取り戻す難しさもにじむ。

 好調のJR貨物もひとごとではない。民営化当初のルールで、旅客6社に支払う線路使用料が格安に抑えられているが、経営難のJR北海道を中心に「重い貨物列車が線路の傷みを早めている。負担を増やすべきだ」(旅客会社幹部)と不満がくすぶる。

 JR貨物社長の田村修二は「線路補修コストを対等に負担すれば、当社は一気に赤字転落だ」とルール維持を訴えるが、今後の展開は不透明だ。

 相互の共助関係が薄まったJR各社の関係は「分割」から「分断」の色を濃くしている。先送りされた課題が顕在化するなか、30年の節目を迎えたJR。第2の改革の時期は着実に迫っている。

(敬称略)

 この連載は池田証志、山沢義徳、市岡豊大、大竹直樹、福田涼太郎、鈴木哲也が担当しました。