平成30年史 JRの歩んだ道編(4)

新幹線技術「中国移転は失敗」 いまや日本のライバルに

 日本鉄道システム輸出組合専務理事の村崎勉は「高い技術力を額に入れて飾っていても仕方がない。そうした声が多かった」と振り返る。あるメーカーの幹部は「独ボンバルディアや仏アルストムの中国参入を前に、指をくわえている手はなかった」と話す。

 JR東日本社長の冨田哲郎は、日本もかつて欧米の技術を学んだことを挙げ、「そうした能力が高ければ、強力なライバルに成長するのが現実」と受け止める。

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 新幹線とリニアの技術を持つJR東海は、米テキサス州の高速鉄道計画に新幹線で参画。ニューヨーク-ワシントン間にはリニアを売り込む。現地で投じたプロモーション費用はこれまでに50億円を上回る。

 だが、葛西は言う。「新幹線を海外に売って鉄道会社がもうけるビジネスモデルは、成立しない」。海外高速鉄道プロジェクトC&C事業室長の落合克典はこう説明する。「米国で日本型新幹線やリニアが採用されれば、車両や信号システムなどのメーカーにとって販売先が大きく広がる」。量産効果による調達コストの引き下げが狙いだ。ただ、中国高速鉄道の営業距離は2万2千キロ以上で新幹線の7倍を超える。

 JR東海社長の柘植康英は「われわれの強みは技術支援」としながらも「世界最高の高速鉄道としての技術、海外で通じる技術をさらに磨いていかないと、国内はもとより海外展開もおぼつかなくなる」と話す。