中国による北朝鮮の石炭輸入をめぐっては、これまでの北朝鮮の度重なる国連安全保障理事会決議違反のミサイル発射などを受け、今年1〜3月の輸入量が前年同期比51・6%減となっている。これが仮に全面禁輸となれば、北朝鮮にとっては大打撃となる。
さらに、北朝鮮が中国からの輸入に依存する石油が止まれば、北朝鮮は軍事行動どころではなくなる。米国はこの点についてもかねて検討してきたという。
また、原子力空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群が時間をかけて朝鮮半島近海に近づくのも、北朝鮮と中国から前向きな対応を引き出すため、日米同盟の強い結束を示すことを狙ったものだ。
「米国もそう簡単には武力行使はしないだろうが、米国は核には厳しい」
安倍首相は周囲にこうも指摘する。事態は決して楽観を許す状況にはなく、日米は今後も北朝鮮と中国に働きかけを強めていく考えだ。
(阿比留瑠比)