安倍晋三首相とペンス米副大統領との会談には、日米が固く結束して軍事挑発を繰り返す北朝鮮と、その後ろ盾となってきた中国に圧力をかける狙いがあった。カメラが入った会談冒頭のやりとりが発したメッセージは明確である。
安倍首相「トランプ政権が(オバマ前政権時代の)戦略的忍耐という考え方ではなく、全ての選択肢がテーブルの上にあるとの考え方で対処しようとしていることを評価する」
ペンス氏「日本が日本海を通じ、絶えず北朝鮮の挑発を受け続けている非常に厳しい状況をよく理解している。戦略的忍耐の時代は終わった。朝鮮半島の非核化の達成のために連携していきたい」
東アジア情勢の近年にない緊迫を受け、安倍首相ははっきりと「強い米国」の復活を歓迎し、ペンス氏もそれに力強く応じた連携プレーの場面だった。
長年、北朝鮮を時に甘やかし、時にかばって結果的に核・ミサイル開発を許してきた中国に対して、対北制裁強化を急ぐように暗に迫ったものでもある。
「中国に対し、北朝鮮から石炭を買うことを確実にやめるように言うべきだ」
実は安倍首相は、6日のトランプ大統領との電話会談でこう助言していた。詳細は明らかにされていないが、トランプ氏はその直後の中国の習近平国家主席との会談で中国に対し、北朝鮮制裁のさらなる強化を迫っている。
「米国がシリア攻撃の時間を、米中首脳の夕食会の最中に選んだのはわざとだ。中国もトランプ氏相手では、(対北融和派の)オバマ氏同様にはいかない。会談では相当やり込められたことだろう。今では、中国も対応せざるを得なくなっている。北朝鮮にはそれが何より効く」
安倍首相は周囲にこう語っている。