「日光金谷ホテル」の歴史紐解く 創業者の孫が秘話明かす

 現存する国内最古のクラシックホテル、日光金谷ホテル(日光市上鉢石町)創業者の孫で、金谷ホテルベーカリー(同市)の申橋(さるはし)弘之社長が書いた「金谷カテッジイン物語 日光金谷ホテル誕生秘話」が18日、出版された。公開されていなかった文献や資料を踏まえ、明治時代初期の秘話が盛り込まれている。

 同ホテルの創業は明治26(1893)年だが、その20年前、日光東照宮の雅楽師だった金谷善一郎が自宅を改築して外国人を宿泊させたのが、ホテルの前身、「金谷カテッジイン」だ。その創業の地は現在、金谷ホテル歴史館(同市本町)として公開されている。

 申橋さんは善一郎の孫で同館運営会社の社長も務めている。

 宣教師で医師、ヘボン式ローマ字考案者のヘボン博士が日光を訪れた際、善一郎の家に泊まったのが金谷カテッジインの出発点。日光を訪れる外国人の増加を見越して外国人用宿泊施設の必要性を進言。善一郎は自宅を改築して金谷カテッジインを開業。英国人女性、イザベラ・バードの旅行記にも詳しく書かれた。

 日光には、金谷カテッジインについてはさまざまな伝承があるが、申橋さんが先祖から託された膨大な資料と写真を基に歴史をたどった実証的な書物として注目が集まる。文芸春秋。1500円(税別)。

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